団塊世代ならば、「血管年齢」という言葉には聞き覚えがあるのではないでしょうか。
血管年齢は生活習慣病と深く関わりのある語で、一般には「血管壁の柔軟性が実際の年齢とくらべて、年相応かどうか」を指しているそうです。
血管年齢が、年相応ならまだしも実年齢を大きく上回っているようでは、人生の後半戦がすぐ目の前に控えている団塊の世代としては、気にかからないといったらウソになりますね。
不摂生な生活を続けている20~30歳代の若い世代が検査を受け、「あなたの血管年齢は50歳台」などと指摘されてショックを受ける...といった事例も、いまや珍しくはないようです。
60歳台ともなれば、なおさら年相応の血管年齢をキープできるよう、健康面に心を配らねばなりません。
別の言い方をすると、血管年齢とは「動脈硬化の進み具合をはかるモノサシ」です。
生活の不摂生、すなわちストレスや睡眠不足、運動不足による肥満・喫煙・アルコール過多や偏った食生活...といったさまざまな健康へのマイナス要因によって、血管が弾力性を失い、その老化が急速に進むわけですね。
いわゆるメタボに起因する高脂血症や高血糖、あるいは高血圧や糖尿病といった病気によって動脈硬化が進み、血管の老化が相当に進んでいる場合もあります。
・動脈硬化を学ぶ~その概要・予防・食事
動脈硬化の進み具合をはかるための検査技術も、すでにずいぶん進歩しています。
40歳を過ぎたなら、年に一度は検査を受けるのが望ましいとのこと。
特に全身の動脈の中でも動脈硬化が進みやすい血管のひとつに、「首の頸動脈(けいどうみゃく)」があります。首の動脈がつまると、意識がなくなったり、めまいが起きたりします。
首の血管が動脈硬化によって詰まったり細くなったりした結果、脳梗塞につながる「頸動脈狭窄症(けいどうみゃくきょうさくしょう)」という病気になるこわいケースもあります。
首の「頸動脈エコー検査」によって、脈波伝播速度(みゃくはでんぱそくど)というものを測り、全身の動脈硬化の程度を推定することができるそうです。
血管を画面に映して観察することもできる検査で、循環器内科などで受けることができます。
いまでは検査方法もさらに進んでいて、指先をコンパクトな装置の先に入れてセンサーでその脈波をはかる「加速度脈拍検査」により、簡単に血管年齢を割り出せるそうです。
動脈硬化はあらゆる生活習慣病のプロローグ(序幕)みたいなものですし、料金的にも数千円程度とリーズナブルですので、自分の血管年齢を定期的にチェックしておくと健康に自信が持てそうですね。
団塊の世代としては、どうしても外見的な若さにこだわり、アンチエイジングにしても、シミやシワ・頭髪、腹回りなどの「見た目」から入りがちです(「アンチエイジング(抗老化医学)」、団塊世代が知るべき基本 もご参照ください)。
しかし油断していると、カラダの中では老化が実年齢以上にどんどん進行中...といったことになりかねません。
日頃の食生活や運動習慣なども見直した「生活習慣病対策」を講じて、健康全般と血管年齢の若返りをはかるようにしなくてはなりませんね。
・健康・体力アップコーナー(財団法人 健康・体力づくり事業財団)