不況が続くなかビジネスの海外出張などは冷え込んでいるものの円高の追い風を受けて、ここ数年のゴールデンウィークや年末年始の海外旅行予約などはとても順調とのことです。
とりわけ、比較的フトコロ具合に余裕のあるシニアの旅行熱は衰えを知らぬ感があり、若い世代における海外旅行への関心が徐々に薄れつつあるとささやかれるなか、どの旅行会社も、団塊世代を含むシニア取り込みのための企画や営業を活発化させています。
とはいっても、ターゲットとなる団塊世代の関心がますます細分化しているために、企画をしかける旅行会社サイドも、ヒットを狙うために四苦八苦しているのが現状です。
単純に価格の安さを訴えたパッケージツアーの需要も、もちろん無くなったわけではありません。
しかし自分の目的に応じて「格安・低価格ツアー」と「興味・関心に応じて自由に設計し、自分で手配する旅行」を上手に使い分けるシニア層が無視できないほどに増えた今、提供する旅行商品のラインナップ自体が乏しいようでは、とても団塊世代の要求レベルにはついていけない...というのが現実なのでしょう。
2007年3月に、JTBが初めての「団塊世代 国内海外旅行動向」を調査発表していますが、それによると60歳以降の旅行スタイルのキーワードは「ゆったり」「体験」「自分で選ぶ」で、行きたい場所のトップは「国内が北海道、海外がヨーロッパ」とのことです。
また、定年退職を迎える人の半分以上が退職記念旅行を予定していて、その平均予算は29万6千円とのことでした。
団塊世代・シニア世代の心をつかむためには、自分の人生の一部として心に何かが跡を残す「体験」型の旅行であることこそ、いまや不可欠の構成要素となっているようです。
団塊世代の加入・利用割合が大きいことで有名な、クラブツーリズム株式会社の運営する「クラブツーリズム」では、760万人超の顧客のなんと7割超を、50歳代以上が占めているとのことです。
クラブツーリズム
クラブツーリズムは、テーマごとにクラブをつくり、共通する趣味・興味ごとに旅行企画を立ち上げ、参加者が同じ関心を共有しながら体験型の旅行ができる点を特長としています。
さらに旅行に参加した顧客が登録し、添乗員となって旅行事業に参加する「フェローフレンドリースタッフ」という、ユニークな制度も用意されています。
シニアに照準をあわせた旅行企画はほかにも数多くありますが、いくつかご紹介しておきます。
JTBグループでは、熟年向けプログラムとして50歳からのシニア留学や海外長期滞在(ロングステイ)など、さまざまなラインナップを用意しています。
シニア留学(JTB海外留学)
シニア留学プログラム一覧(JTB海外留学)
株式会社地球の歩き方は、さまざまなプランを自由に組み合わせ、自分だけのヨーロッパ旅行を...という向きに、専門サイト「旅プラザ」を解説しています。
地球の歩き方 旅プラザ
JR東海が主催する「50+(フィフティ・プラス)」は、東海道エリアを中心とした観光地への旅行においての、50歳以上の方を対象とした入会費・年会費無料の旅行クラブです。
JR東海 50+(フィフティ・プラス)
自分で選ぶことにこだわる方向けに、旅行会社探しサイト「タビズム」においては、「シニア旅行の取り扱いが得意な旅行会社」のリストが掲載されています。
タビズム シニア旅行の取り扱いが得意な旅行会社