2007年頃から順次定年退職を迎えている、団塊世代。
あなたのそのフトコロは、巨大マーケットを形づくる一端として、シニアマーケッターから狙われています。
退職金をまとまって受け取る団塊世代は300万人(2007年度)に達します。
団塊世代が受け取る退職金の総額は、全国で50兆円程度という試算もあります。
団塊世代全体で、そのマーケット規模は100兆円!ともいわれています。この不況下、外から熱いまなざしでみられるのも無理からぬところですね。
低成長経済がすっかり定着したこの先の日本においては、団塊ジュニアのサラリーマン生活は、団塊世代がおくったそれとは、ずいぶんと異なるものになりそうです。
この団塊ジュニアといわれる世代は、680~800万人いるとされる団塊世代に比べると、もともと200万人程度とその層も薄いことに加えて、定年に退職金をもらうまで無事勤め上げることができるかどうかすら、ずいぶんと心もとない時世になってきました。
また年金についても、その持続可能性を危ぶむ声が高まるなか、若い世代の年金未納率も上昇しつつあり、団塊ジュニア世代以降にとっては、退職金・年金とも、安定的に将来のまとまった受給額をはじき出すことはもはや難しい...と言わざるを得ません。
したがって、「退職金と年金をまとまって確定的に受け取ることができる最後の世代が、この団塊世代」というのが、いまや共通認識になりつつあります。
ビジネスを仕掛ける側は、なんとしてもこの団塊世代マーケットを深く掘り起こそうと、皆やっきになっているのです。
その団塊世代に属しているアナタ、あなた自身が退職金をいくら受け取り、また月々いくらの年金で暮らしているかは、とりあえず問題ではありません。
問題は、この総体としての「団塊世代マーケット」に着目して仕掛ける側が、あの手この手であなたのサイフの紐を、なんとしてもほどかせようとしていることにあるのです。
そのような環境のなか、あなたは退職後の人生をずっと歩み続けなくてはならない、ということなのです。
やれ未公開株だ投資信託だFXだ、会員制ビジネスだ投資用マンションだと、あの手この手でマーケッターの巧みな誘い文句に取り囲まれ、攻め立てられ続ける環境が、このあとの人生でずーっと続きますよ、というわけです。
うっかり息を抜いてしまうと、たちまち彼らに取り込まれ、虎の子の退職金や年金があっという間に、どこぞにたち消えてしまうことにすらなりかねません。
いや、だからといって決して、退職金を使うことなく、次の世代に渡すまで抱きしめてじっとしていろ...と言いたいわけではないのです。
沈滞した日本経済の活性化のためにも、なにより自分の人生を輝かせる有効な使い道であると信ずるならば、お金を消費すること自体は何の問題もありません。
問題は、あなたの選択眼がためされる機会が、好むと好まざると、この後の人生で何度となく訪れることになるであろう...ということです。
あなたが何十年の月日を費やした結実として受け取ったお金をどう消費するのがよいか、誘惑に取り囲まれるなかで、あなた自身の「選択眼」の確かさが強く問われる時代にあなたが生きていることを、身ぐるみはがれないようにするためにもヒシヒシと自覚すべきではないでしょうか。
退職してほっとしたのもつかの間、その選択眼・鑑識眼を磨くために勉強し努力し続けないと、大切な財産を守りかつ有効に活用するのが難しい時世に、団塊世代は生きているのです。
だまされてはなりませんよ、ということです。
これまで資産運用や資産形成の勉強の機会などなかった、考えてもみなかった...という方もいるでしょう。
しかし、思いもよらぬ資産の失い方をしたあとで、そのようなグチも言ったところで後の祭り、どうにもならないのです。
団塊世代マーケットを狙う側の思惑をはねのけ、自分の資産を有効活用するためにも、あなたはさまざまな知識を自身に武装する必要があるのです。