歳も歳だし、見た目が多少ヨレてくるのはしかたない...とお考えの団塊世代の男性諸氏も多いことでしょうが、近年の美容整形技術の進歩には目を見はるものがあります。
旅行やグルメ三昧もOKですが、24時間ついて回る自分のルックスの改善に資金を投じるというのも、ひとつの活きたお金の使い方。
日々鏡を見るたびにユウウツになっていたあの気持ちのモヤモヤがこの先の人生で解消されるなら、たとえ数十万円を投じようと惜しくない...という団塊世代男性の数がジワジワと増えてきていることもまた、事実なのです。
とりわけ中高年・団塊の世代の男性を悩ませる代表例としては、顔にできるシミ、そして口元のシワやたるみ、あるいは加齢によって上まぶたがたるみ、目もとがはれぼったい印象を与えること(いわゆる眼瞼下垂(がんけんかすい))などがあります。
顔のシミ(老人性色素斑)についてはその種類にもよりますが、一般に「レーザー治療」がもっともポピュラーかつ安全性の高い治療法とされています。
治療そのものは短時間で行われ(ただし通院は必要)、炎症や跡もほとんど残らないようにシミを取り除きます。
このレーザー治療を基本として、「光治療(光の照射による低刺激の治療)」や薬剤による「ケミカルピーリング(皮膚表面の角質の一部を削ってはがす施術)」などを併用します。
シワやたるみについては、「フェイスリフト」がもっとも効果が高いとされています。
皮膚のたるみによる顔のラインの変形は、早ければ30~40歳頃からはじまるとされていますが、皮膚の一部を切開して筋膜を引っ張ることによりそのたるみを解消するのがこの「フェイスリフト」です。
最近ではほとんど皮膚を切らずにすむ術式もあり、手術後数週間で傷跡もほとんど消えて目立たなくなります。
顔だけでなく、歳を取るにつれ目立っていた首回りのたるみなどにも有効ですし、目が細く重苦しかった上まぶたの印象などもスッキリと解消することができます。
眼瞼下垂の解消によって視界がクリアになり、視野・視力の向上のみならず、肩こりの解消などにもつながります。
眼瞼下垂による視界障害 コンタクト常用者・高齢者は注意
手術がどうしてもイヤだという方には、口もとなどにコラーゲンやヒアルロン酸を注射する、内科的療法もあります。
ただしこちらは効果の持続期間が限られているため、継続して治療に通うことが必要になります。
いずれも健康保険の効かない「自費診療」となりますし、治療の種類によっても費用は数万円~百万円台(!)と高額であることは、確かに痛いです。
しかしそれでも、自分の内なるコンプレックスを振り払って元気に過ごすための必要コストと考えるなら、決して高くないという見方もできますよね。
実はお隣の韓国では、美容整形の技術水準が高く、産業としても活気づいています。
韓国では「外国人向けの形成外科手術市場」を成長産業ととらえ、観光を兼ねて美容整形治療を受けに訪れる層への「医療観光」に力を入れています。
韓国ウォン急落の恩恵、美容整形に訪れる外国人増加 (Reuters)
日本で行うよりも費用面でかなり安く上がるというメリットから、日本からはるばる専門の美容整形ツアーに参加する人も年々増加傾向にあります。
日本の大手旅行代理店とタイアップした美容医療ツアーなども、すでに用意されています。
日本語対応がOKな美容外科では、観光と組み合わせたさまざまなサービス競争が活発で、中高年の日本人男女も気軽に参加しているようです。
ソウル市内には、日本人観光客に対応した整形の専門医院が20ヵ所以上あるそうです。
ただし国の内外を問わず、美容整形をめぐるトラブルはそこかしこで絶えないこともまた事実。
細かな意思疎通面での不安やアフターケアの問題を考えると、やはり費用面の安さだけにつられての安易な選択は禁物でしょう。
美容整形においては、「最先端の治療法」と喧伝される技術は特に、安全性を確認するための症例がまだ十分積み上がっていないことも多いはずです。
注入物に対する異物反応や、皮膚・顔の変形などのトラブルも現実にあり得る話ですので、国内・海外共通のチェック点として、美容整形専門医としての実績・経験は十分か、外部の評価や口コミは良好か、事前に医師との間で十分な説明を受けてコミュニケーションをとれる状況にあるか、さらにはアフターケアの体制が確保されているか...などの諸点については、慎重な事前確認が必要ですね。
なお、加齢の影響を最小限にとどめ身体機能の老化防止をめざす「身体の内面にかかわる」アンチエイジング(抗老化医学)については、「アンチエイジング(抗老化医学)」、団塊世代が知るべき基本 をあわせてお読みください。